山本淳子さんの『枕草子のたくらみ 「春はあけぼの」に秘められた思い』(朝日選書) を読了しました。
晩夏とは思えない肌寒い夜なので、お煎茶とお煎餅をお供にして。
私にとって、山本淳子さんとは、源氏物語の人というイメージでした。
『源氏物語の時代』と『誰も教えてくれなかった「源氏物語」本当の面白さ』以来の著作になりますが、流石というかなんというか、圧倒的な情報量で、今回も非常に興味深く、かつ面白く読ませて頂きました。登場人物の描写が生き生きとしていて、読んでいるこちら側もうきうきとさせて頂きつつ、途中、何度も号泣しつつ。そして最後の最後の一文には、やっぱりね、ざまあみろ、と思いつつ。
平安古典文学で一番好きな枕草子のことをいっぱい書いてくれてありがとう、という気持ちでいっぱいです。
清少納言の中宮定子に対する尊敬と愛情は、言霊と鎮魂の力となって、千年の時を超えて、今も、またこれからも、生き生きと語り継がれて行くんだろうと思います。
現在ソフトカバーで出版されていますが、いっぱい売れて、最終的には、新書か文庫になって、多くの人に読まれることを切に祈ります。
本書の宣伝を見かけて以降、この前の『日本人なら知っておきたい日本文学』なども読みつつ、久しぶりにどっぷり枕草子の世界に浸りたい気分になりました。