非常に面白くて、一気に読了しました。
AIは、いまから30年以上も前、学生時代の授業で習ったきり、近年まですっかり忘れていました。
当時、英語で受けた授業の一つだったこともあって、artificial intelligence という単語だけは覚えていましたが、確か当時は「医療分野で展開して行く」とか「心理学分析の分野で」とか、そんな話だったかと思います。
まだ10代の学生にとっては、授業の中身より英語について行くことの方がよっぽどネックでトホホな授業でした😅
システムエンジニアという仕事柄、今でもAIに多少の興味はありますが、今回、この本を手に取ったのは、「教科書が読めない子どもたち」の方が気になったからです。
若者の読解力の無さについては、近年、教師の友人や塾講師の方々などから、色々な話を聞いて来たので、かなり悪いのだろうと、ある程度、想像はしていました。が、本書を読み、予想を遥かに超える現実を目の当たりにして、こんなに酷いのかと、衝撃を受けました。
今後、AIが飛躍的に進化し、SF物語に出てくるようなシンギュラリティが起こることは流石にないようではありますが、著者の言う通り、AI恐慌というか、サラリーマンがAIに仕事を奪われる日は、案外近そうに思います。
既にAI技術を使った学習ロボットはMRACH大学に受かるレベルまで来ているそうです。とはいえ、旧帝大(東大、京大、北大など)レベルには受からないそうなのですが、それだって、殆ど大多数の人は勝てないか互角ということになってしまいます。ロボットにスピードやパワーで勝てるはずもないので、殆ど負けですね。
AIが勝てない専門職に就けば、将来も安泰そうではありますが、未来がどうなるかなんて、正直分からないかなーと思ったりもします。
AIに代替されることのない技能を習得しなければ、仕事を奪われてしまう、そういう時代が来る、ということなのに、若者の読解力が足りないというのは。。。
寒い時代だと思わんか?
と、某キャラのセリフを言いたくなりました。
もっとも、読解能力値は、読書の好き嫌いや科目の得意不得意とは関係ないそうです。また、スマホ利用時間や勉強時間、通塾の有無とも無関係らしいです。念のため。
また、読解力と言っても、ドストエフスキーや太宰治を理解する、とかの話では全くなくて、文章の意味を正しく理解するという、単純かつシステマチックな方の話なので、むしろ理系というか、完全に理論的な話なんですね。
かなり面白いので、興味のある方は是非。