箕輪町 GUUUT(グート)

投稿日:

GUUUTさんは長野県上伊那郡箕輪町にあるタイ料理のお店です。里山料理倶楽部とも。

野菜やハーブを自ら育て、様々な発酵手法を駆使しつつ、調味料なども全部手作りしているそうです。発酵食材と里山タイ料理がベースで、免疫食堂とも呼ばれています。

古民家の敷地内にある蔵を改修して客席にしており、メニューはコースのみ。現在は1日1組限定だそうです。

左のドアが入り口です

以前は六本木で「さだ吉 鎹」という和食店をされていました。元々地元がこちらで、こちらは週末だけやっていたお店だったそうですが、コロナ禍などもあり、今後はこちら一本で行かれるとのこと。

何故、和食からタイ料理に?とお聞きしたところ、店主さん曰く、長野の昔からある料理文化とタイの料理文化には共通点がとても多いとのことでした。

一皿目はカーオタンナータン ข้าวตังหน้าตั้ง

画像はお店のFBより拝借

おコメをつぶしてせんべい状にしたものを揚げたおこげを、ナムプリックと呼ばれるディップソースにつけて頂きました。

紙包の中に更に葉包みが
甘辛味がやめられない止まらない
お餅のおせんべいお代わりプリーズ

ディップはココナツミルクとレッドカレーペーストで挽肉を炒めたもの。ピリ辛エスニックな肉味噌ですね。これをもっちりしたお米煎餅に付けて頂くのですが、お煎餅も美味しくて、あと2〜3枚は欲しかったです。
緑の野菜はプチヴェール、アブラナ科の野菜です。レンゲの下に土台代わりに置いてあった大根と、穂付きのままポップコーンのように弾けて香ばしくてウマー!な稲穂の実まで、全部しっかり頂きました。

後をひく、お代わりしたい一品でした。

飲み物は料理に合わせた店主おススメのペアリングコースがあったので、それにしました。ワインと日本酒、バッチこーい!

一杯目は微炭酸からヴァンヴィ ペティアン ナイアガラ

VinVie petillant NAIAGARA 2021

VinVie(ヴァンヴィ)は松川にあるワイナリーです。長野県産ナイアガラを使った辛口ワインでした。

和盆の設えも素敵

料理に合わせたノンアルのペアリングもありました。最初は塩ライムの炭酸割りから。

レモングラスをマドラーに適宜炭酸を足しつつ
塩ライムを齧りつつ

続いて来たのはココナツミルクの茶碗蒸しとシャルドネ

ココナツミルクの茶碗蒸しとシャルドネ

茶碗蒸しに白菜と刻んだこぶみかんの葉が。中には太刀魚が入っていて、旨味のぎっしり詰まった不思議な一品でした。和でもありタイでもあり。これもお代わりしたかった。。。
小粒のイクラは鱒で、紅麹で一年漬け込んだ物だそうです。臭みも無く皮も硬くなく、粒の中に旨味が閉じ込められており、とてもとても美味でした。

続いて塩尻にある サンサンワイナリー さんの柿沢シャルドネ熟成樽 2016

Sun Sun Winery
SUNSUN ESTATE 柿沢シャルドネ熟成樽 2016

シャルドネが大大大好きな私の好みにどストライクなワインでした。ココナツミルクの茶碗蒸しにもめっさ合ってました。うまー。

あまりにも好みだったので、帰宅後ネットで探してみたら、これだけが速攻で売り切れてました。美味しいワインはみんな知ってる。。。

お次は牡蠣をパンにのせたカナッペ的な一品

牡蠣のカナッペ

上にのってるのは干しりんごで、横に添えられたレモンの葉まで完食しました。ちなみに、レモンの葉はレモンの皮と似た味わいで、フレッシュなせいか、エグ味や青臭さはあまりありませんでした。

牡蠣のカナッペには、ヤマソービニオンのスパークリング 2019

Sun Sun Winery
ヤマソービニオン スパークリング 2019

こちらもサンサンワイナリー さんです。ヤマソービニヨンは、ヤマブドウとカベルネ・ソーヴィニヨンの交配種で日本固有種だそうです。ベリー感と甘みがとても自分好みで、サックリ飲めました。

続いて、豚肉のラープ。

豚肉のラープ

ラープとは肉サラダのことだそうで、現地ではもち米と共に頂くのが一般的とか。お肉は豚そぼろをナンプラーやライム、砂糖、唐辛子とミントやネギなどで炒めており、超辛仕上げでした。
白い粒は炒ったもち米で香ばしさと食感がプラス。
本場ではもち米を竹で蒸すそうですが、今回は ข้าวจี カオヂャイ というタイ式の焼きおにぎりの上にかけてありました。

そしてこれがまた激辛で!辛くて辛くてヒーヒー言いながらも美味しいのでクセになりました(笑)

ข้าวจี カオヂャイ(タイ式の焼きおにぎり)は、ココナッツミルクをまぶしたもち米に、卵液を絡めて焼いたものだそうです。自家栽培で収穫仕立てのもち米を使って。

店主さんのFB画像より、カオチャイの焼きたて

そしてこの激辛ラープに合わせた飲み物はこちら

新政 陽乃鳥(ひのとり) 貴醸酒

初、陽乃鳥!
新政 幻の貴醸酒キタ━━━(・∀・)━━━!!

新政の貴醸酒の甘味と旨味が辛さによくあいました。タイ料理屋さんで新政の幻酒(定価入手が無理)が飲めるとは。長らく人気の和食店を営んで来られた店主さんならではかなーと。余談ですが、定価2250円を5桁で売る転売ヤー多過ぎ。。。

そしてノンアルのペアリングは桃ジュース

十文字ガルテン あかつき桃ストレート

この十文字ガルテンさんのあかつき桃ジュースも最高に美味しかったです。更に激辛でヒリついた口内を劇的に優しく改善してくれました。一家に一瓶欲しい、あかつき桃ストレートジュース!

続いて、葛叩き(くずたたき)のトムヤムクン

トムヤムクン

トムヤムクンと言えばタイ料理の定番スープですが、葛叩きという和食の手法によって、ぷりぷり海老メインのスープになっていました。緑はこぶみかんの葉です。飲み物は前出のシャルドネを。

お次は豚のスペアリブ、カレーソース。
骨まで柔らかでセロリ葉とセルバチコ(ルッコラ)もうまー。

スペアリブ

スペアリブに合わせたのは、辰野にある小野酒造店 さんで夜明け前のにごり酒、生酒バージョンでした。舌にピリッとくる発泡感が生マッコリみたいな感じで、発酵酒だなーとしみじみ。

11月後半に発売されたばかりの季節限定酒ですが、こちらの生酒バージョンはこれまた完売してました。

ノンアルのペアリングは甘酒のココナッツウォーター割り。ある意味、発酵祭り状態でした。

自家製甘酒とココナッツウォーター

続いて虹鱒の登場です。いとうりやはやとうり、かぼちゃ入りの優しい魚介スープも美味しくて葉っぱも含めて全部食べましたが、桃の葉だったかな?

紅鱒どーん

お魚には、ヒトミワイナリー Yellow Conc. 2015

ヒトミワイナリー Yellow Conc. 2015

ヒトミワイナリーは滋賀のワインメーカーです。にごりワインが有名で自然派ワインを置いているレストランでよくみかける気がします。岩手県産ナイアガラ使用。

このワインは作り方が少し特殊だそうで、果汁清澄をしない製法(ノン デブルバージュ)によりイエローの色素を出現させ、さらに発酵終了したワインの一部を人工的に冷凍濃縮(Conc.)することで、味わいを凝縮させているとのこと。かなり禁忌的な製法らしいのですが、個人的には通常のナイアガラより美味しかった気がしました。

ワイン醸造人からの2015特徴コメントはこちら

途中からお好みでナムプリックを足して味変してみたら、超辛っっっ!でも超うまっっっ!魚の甘みが引き立ち、クリアな辛さがたまりませんでした。

ナムプリック

ここまでのお腹具合を聞かれた上で、最後はマトンのビリヤニでした。

マトンのビリヤニ

かなり腹パン状態だったので、私は半分にして貰いました。左上はシャインマスカットと人参のソムタムに紅心大根やらカブの酢漬けなど。

マトンビリヤニに合わせたのは、三度登場なサンサンさんの柿沢メルロ W

Sun Sun Winery
SUNSUN ESTATE 柿沢メルロ W

そして、〆のデザートは白赤いちごとのジェラートとほっとする優しさの玄米茶でした。

デザート

18時からスタートして計10品。大満足と共に久しぶりに超腹パンになりました。

看板は無いので、この灯りがお店の目印です

移動時間もあったので、お宿の22時門限にはギリギリで滑り込みセーフでした😅

こちらはGUUUTさんで買って来たものなど

GUUUTさん自家製ナンプラーと塩ライム

濾したてを頂き、車中で撹拌されたので、帰宅当初はかなり濁っていましたが、翌日にはこんな感じで落ち着きました。上澄みは除去してもしなくてもOKとのこと。

一日経った姿

ただいま何を作ろうか悩み中です。

追加で自家製ナンプラー情報を
私が買った分は一年寝かせたバージョンです

10件のコメント 追加

  1. 長野でタイ料理ってなんか意外な組み合わせですね。
    さっそくホームページ見ちゃいました。
    コンセプトなども面白く、再びメモメモです(*^^)v
    しかし、10皿とは大満足コースですね~!
    私は10皿すべてアルコールでいきたい(笑)

    いいね: 1人

    1. KYO より:

      tabisurueiyoushiさん、コメントありがとうございます😊
      ノンアルのペアリングについては運転手の旦那が頼んだ分になります。私も味見させて貰いましたけど、辛味に桃ジュースは最高に効きました!
      お腹がパンパンになってしまったので、中盤と後半の2回、飛ばしてしまいましたが、ノンアルも結構飲んだので、種類としては11種飲んでますねー。アルコールタイプのペアリング代は基本3000円〜となっていましたが、これで3500円だったので、とてもリーズナブルだなーと思いました。ノンアルペアリング代はたしか2000円程度だったかと思います。
      タイと長野が似ているというのは地元の人ならではの発想だろうと思います(^-^)

      いいね: 1人

  2. CoccoCan より:

    素晴らしいお料理と、魅力的なお酒たちにため息をついていたのですが、
    最後の「自家製ナンプラー」に一気に心を奪われました!!

    どうやって作るのかが知りたいです!! 作ってみたい笑
    とてもとても美味しそう。イワシが原料なのでしょうかね。。。「いしり」は烏賊ですし、「しょっつる」は鰰。冬になったからやってみようかなぁ~。

    塩ライムは皮ごと塩漬けですか?それとも剥いたものですか?

    10品のコース料理に合わせるお酒も多種多様なのも守備範囲が広くて、素敵なお店です!! いいなぁー♪

    いいね: 1人

    1. KYO より:

      CoccoCanさん、コメントありがとうございます😊
      ナンプラー情報、記事の最後に追加しておきました。
      追加したGUUUTさんのインスタにもある通り、小鮒のナンプラーだそうです。
      田圃で小鮒を育てるというのは、狭い土地を有効活用する為の伊那谷周辺の昔からの知恵なんだそうです。
      我が家で譲って頂いたナンプラーは既に一年経ったものなので、綺麗な黄金色になっていましたね(^-^)

      いいね

      1. CoccoCan より:

        とても素敵な情報をありがとうございます!!!

        いいね: 1人

  3. 洋子 より:

    食器や盛り付けもお洒落ですね。
    自家製ナンプラー!これは気になります!

    いいね: 1人

    1. KYO より:

      洋子さん、コメントありがとうございます😊
      和食出身というのもあるかと思いますが、食器の設えが本当に素敵でした(^-^)
      ナンプラー使ったらアップしてみようと思います!

      いいね

  4. wakasahs15th より:

    KYOさん 酒豪ですね\(◎o◎)/!コース料理に合わせてお代わりで。
    コース料理のみで一日一組の客。余程、味に自信をお持ちなんでしょうね。タイ料理は辛いイメージしか無かったですが素晴らしい内容だと思いました。
    KYOさんは良いお店を沢山ご存じですね(*^_^*)

    いいね: 1人

    1. KYO より:

      wakasahs15thさん、コメントありがとうございます😊
      振り返ってみると結構飲んでましたね〜😅
      途中で聞いたところペアリングは10皿全てに付けられたらしいのですが、お茶込みで8種が限界でした。
      お店の選定はいつもオットで、私はいつも後をついていくのみです。また春に伺うとオットが言っていたので、次回も楽しみだなーと思います(^-^)

      いいね: 1人

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