
今朝、SNSで友人が読んでいるのを見かけたので、十数年振りに私も本棚から引っ張り出して来て、再読しました。
ウクライナの作家、アンドレイ・クルコフさんの1996年の作品です。邦訳版は2004年に新潮クレストブックスから出版されました。
お供はウエストのリーフパイとロシアンティー。
日本では紅茶にジャムを入れるのがロシア式と思われていますが、これは本来ウクライナ式なんだそうです。ジャムを入れると温度が下がるので、飲みながら舐めるのがロシア式なんだとか。だったら当然入れますよね、ここはやっぱり。
作品の舞台は1990年代、ソ連崩壊後の新生国家ウクライナの首都キエフです。動物園から引き取った憂鬱症のペンギンと暮らす、売れない短編小説家の物語です。
当時もでしたが、いまこの時期に読むと尚更、この、なんとも言えない不安と不条理を詰め込んだような灰色の塊が、心の底にじわじわと沁み込んでくるような、そんな気のするお話でした。そして、そんな世界がいまもウクライナの日常なんだよ、と言われているような気もしました。
アンドレイ・クルコフさんはウクライナのキエフに在住する「ロシア語で書くウクライナの作家」ですが、近年、ウクライナではロシア語を授業で教えておらず、ロシア語での出版も制限され始めているそうです。そのことに関する2022年2月時点の彼自身の関連記事を載せておきます。
ロシア語の使用制限を支持 「共存は無理」 著名ウクライナ人作家:時事ドットコム
彼自身、ウクライナ語とロシア語以外の言語(日本語も!)も使える他言語使用者(ポリグロット)であり、奥様はイギリス人です。お子さん達も他言語使用者として育てたとのこと。
イギリス繋がりと言っては何ですが、一昨日スティングが、昔の歌「Russians」を歌っていたので、ご紹介
後半文章では、ウクライナ支援窓口の紹介もされていました。
紅茶にジャム、ウクライナ式だったんですね!!
ロシアもウクライナも元は同じ国って思ってましたが、そもそも300年前にロシアに併合されたと知り、なんというべきか…。
日本へも日ソ不可侵条約を破って終戦後に攻撃してきたような国ですからね。
以前、ロシアへ行こうとした時、祖母が「ロシアは敵だから行ったらダメ」と言ったんです。
「アメリカも敵だったでしょ?」と聞くと、「アメリカも敵だったけど、ロシアはもっと敵。あの国は嘘つきだから」と。当時は、またまた~的にしか思ってなかったですが、今になって祖母の言葉の重みを感じています。
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tabisurueiyoushiさん、コメントありがとうございます😊
ボルシチもウクライナが世界遺産登録しようとしてロシアが抗議したらしいです。
どの時点での状況を始まりと捉えるのか、悩ましい問題ですね(^◇^;)
トルコが昔から親日だった最大の理由はかつて日本がロシアを破ったから、とは、よく聞く話ですね。
チェルノブイリが今後どうなるのか、心配でなりません。
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先月、宝塚歌劇の「王家に捧ぐ歌」を見て来たのですが(オペラ「アイーダ」がモチーフ)、アイーダが、「憎しみからは憎しみしか生まれない」「戦いは新たな戦いを生むだけ」というセリフがあって、ミュージカルではあるものの、その通りだと思いました。。。
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ロシア語のタイトルが「局外者の死」という版の翻訳ですね。
後にロシア語のタイトルは「氷上のピクニック」と書き換えられましたね。
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auxiliarylinesさん、コメントありがとうございます😊
局外者の死も氷上のピクニックも物語を現しているとは思いますが、全体を通して、この作品の味わいも含めて考えると、この邦題はかなり秀逸だったのではないかと、個人的には思います。続編が邦訳されないままなのが少し残念です。
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素敵な装丁の本です。
リンクの作者のインタビュー記事を読みました。
新疆ウイグル自治区もそうですが、本髄のところでロシアがウクライナを「支配」することなどできない。
ロシアも中国も、いい加減学んで欲しいです。
「毒親」と言えば良いのか、「DV夫(妻)」と言えば良いのか分かりませんが、何も動かないし何も生まれません。
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CoccoCanさん、コメントありがとうございます😊
作者が数年前に書いた「ウクライナ日記」も読みたいのですが、Kindle版が無く悩み中です。
ウクライナの民は勿論ですが、チェルノブイリも気になりますね。。。
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今のキエフでは読書も出来ないですね。
早く停戦して美しいウクライナに戻って欲しいです(*^_^*)
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wakasahs15thさん、コメントありがとうございます😊
ウクライナの民は勿論ですが、チェルノブイリもかなり心配ですね。。。
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