ペンギンの憂鬱の作者でウクライナの作家、アンドレイ・クルコフさんのウクライナ日記 国民的作家が綴った祖国激動の155日を読みました。最初は地図と年表を片手に確認しながらだったので、なかなか進みませんでしたが、久しぶりに世界史をじっくり学んだような、そんな気分になりました。
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ペンギンの憂鬱 アンドレイ・クルコフ 新潮クレストブックス

読書の供は、ウクライナ式のロシアンティーと、なかしましほさんのスマイルビスケットなど。ビスケットの記事は別途、書く予定です。
副題に、祖国激動の155日 とある通り、2013年のマイダン革命から翌年のクリミア併合に至るまでの激動の半年あまりをウクライナのキエフで家族と共に暮らしていた著者が記録したウクライナの様子と日々の考察が描かれています。
著者とその家族は、そんな日々の中でも極力「普通の生活」を送ろうとしており、その胆力は、ある意味、驚嘆に値すると思うと供に、ウクライナの人々の逞しさを改めて感じました。
ペンギンの憂鬱と共通する部分が多く、同じ作者の作品なんだなぁと思うと共に、これが作者の、というか、ウクライナの人々の日常茶飯事的な生活なのだと言うことを、改めて感じました。
著者は世界(特に欧米)的に著名な作家であり、語学も堪能です。奥様は英国人で、海外に親族や知己も多く、ウクライナの中では比較的恵まれた環境にいると思われますが、それでも戦争、内戦、暴動、その他による日常生活への不安が日常茶飯事として常に身近にある生活を長年続けているというのは、相当肝の座った御仁なのだろうなぁと、改めて思いました。
ペンギンの憂鬱ではペンギンのミーシャが物語唯一の癒しでしたが、今回の日記では、家族との何気ない会話や、お子さん達とのありふれた日常がある意味「ミーシャ」と言えるのかもしれません。
所々で炸裂する英国人的なブラックジョークがなかなか強烈で、読んでいてスカッとする部分もありますが、現在の状況や今後の著者を含む周囲の方々の身の安全面を考えると、心配な気持ちでいっぱいです。
一日もはやくこの戦争が終わり、ウクライナの人々に以前の自由が戻りますように、と、祈るばかりです。
全面に文字が並ぶシンプルなデザインで
ありながら、お洒落なカバーデザインに
なっていますね。ロシア語も独特な
表記だな、と改めて思ったりしました。
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洋子さん、コメントありがとうございます😊
表紙はロシア語でマイダン日記と書いてあるのかなと思います。下は作者名ですね。スッキリした素敵な装丁ですね(^-^)
オーストリアの出版社から出された際の正式タイトルは「Ukrainisches Tagebuch」で、邦題と同じくおそらくドイツ語の「ウクライナ日記」の意味かと思われます。
最初にフランス語版とドイツ語版が出され、続いて英語版、イタリア語版、エストニア語版が出たそうです。
が、訳者さんによると原著はロシア語だそうなので、表紙の文字はおそらく原著のタイトルなのかなーと思います。
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余り西洋史に詳しくありませんが、
四方を海に囲まれた島国日本と
国境がすべて陸地にあるウクライナでは
地勢学的にも全く違うのでしょうね。
ナポレオンの時代からナチスドイツ、そしてロシア。
いつの時代の苦難も国が悪いのではなく
指導者とその取り巻きが悪いのだと思います。
狂っているとしか思えないあの方、なんとかならないのでしょうか。
ウクライナの平穏が少しでも早く戻りますように。
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agehamodokiさん、コメントありがとうございます😊
私も欧州事情には暗く、歴史も地理もさっぱり分からないので、地名と人名を元に地図と年表を眺めながら読み進めました。
時代によって支配者が次々と代わることによる複雑な人種や文化、宗教の混ざり合いが、現在のアレコレに絡んでいることもあり、なかなか一筋縄では行かない所へきての某大国のゴリ押しなので、どこまで抵抗出来るのか、その後はどうなるのか、まだまだ決着が見えそうもなく、とても心配ですね。
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アンドレイ・クルコフさんご一家今は何処で生活されているんでしょうね。
きっと爆音にも負けずに‘‘ロシアの侵略’’のタイトルでペンをとられていると想像しています。ご無事を祈りたいです。
お茶しながらの読書!KYOさんの向上心!素晴らしいです(*^_^*)
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wakasahs15thさん、コメントありがとうございます😊
以前のペンギンの憂鬱の記事に付けた、クルコフさんのインタビュー記事が今年の2月時点のもので、ロシア侵攻直前でしたがまだキエフに居られたようです。今は果たしてどちらに居られるのか、心配ですね。
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