これも先月のネタですが。。。
久しぶりに義母を誘って港区芝にある江戸前料理のお店、芝浜さんへ。
コロナ禍以降、都内のオットの実家にはなかなか寄れないまま、たまに寄っても玄関の立ち話10分で終了!なんて感じだったので、義母と食事するのは本当に久しぶりのことでした。

江戸前とある通り、こちら江戸料理を出すお店です。
江戸前のお鮨屋さんは日本全国にあるかと思いますし、江戸前の鰻やどじょう、天ぷらのお店も沢山ありますが、それ以外の江戸前料理店というのは、なかなか見かけ無い気がします。
せっかくなので、日本酒も地元芝の蔵元、東京23区内唯一の酒蔵 東京港醸造さんより、純米吟醸原酒 江戸開城をば。

最新のお皿は番付皿。
きんぴら、煮まめ、切り干し大根の3種盛り。
ごぼうにいりこの組み合わせはお初でした。切り干し大根もシンプルな味付けで、煮豆に添えられていたのはお店自家製の江戸味噌とのこと。赤味噌っぽい色合いですが、名古屋味噌に近い甘めの味噌で塩分も少なめでした。江戸甘味噌とも言うそうです。

番付皿とは、江戸時代に流行った「為御菜 」という江戸で人気の家庭料理を相撲の番付に見立てたものから来ているそうです。

日常のお惣菜を「精進料理の部」と「魚類物の部」とに分け、その味のよいことや材料が安価であること、そして調理に手間のかからないこと(ここ大事(笑))等々を考慮してランキング化した、庶民派の為の家庭料理の番付表です。
精進の前頭に「にまめ」がありますね。
ちなみに精進方の大関は「八杯豆腐」で、魚類方の大関は「めざしの干物」だそうです。読めない。。。
右上の「日々特用倹約料理角力取組」なんていうのも洒落が効いていて素敵ですね。真ん中の行司は沢庵漬、その下に梅干し、一番下は味噌、塩、醤油でしょうか。江戸の粋を感じました。
詳しい内容を知りたい方はこちらの 「江戸時代のおかず番付「為御菜」には、いったい何と書いてあるのか?」 さんが詳しいので是非



鰹のたたきはそのまま上にのっていた酢おろしと辛子で、カレイはお醤油で頂きました。
歌人、山口素堂さんの「目に青葉、山ほととぎす、初鰹」は有名ですね。江戸で大人気の初鰹ですが、当時も江戸沖では獲れなかったそうです。主に千葉沖で獲れ焼津に水揚げされた鰹を高速船「押送船」(焼津では八丁櫓とも)で日本橋の魚河岸まで運んだそうです。今の価格にして1本が20〜40万円(現在の10倍以上)と高額なのにも関わらず、飛ぶように売れたとか。
当時の資料でも1本1〜3両とタイミングやサイズ、希少さで変動しているので、その辺は今の時価と変わりませんね。
文化九(1812)年三月二十五日に魚河岸に入荷した初鰹の数は十七本で六本は将軍家てお買い上げ、三本は料亭八百善が二両一分で買い、八本を魚屋が仕入れ、そのうち一本を中村歌右衛門が三両で買って、大部屋役者にふるまった
興津要さん著『江戸食べもの誌』より
末端価格が高くなるのは当たり前としても、大人気の歌舞伎役者もスーパースターらしく太っ腹ですね。
同書によると、当時の下働き女性の一年間のお給金が一両二分程度だったそうなので、それを踏まえても、当時の高額さ加減はトンデモであることが伺えます。
現在、気仙沼で釣れた1本鰹のお値段は中サイズで3千円とのこと。ほんの一例ですが、仲卸や魚屋を通さない直販価格です。ご参考まで。
初物は縁起が良く寿命が伸びると言われていたこともあってか、「初鰹は女房子供を質に入れても食え」とまで言われていたことは、みなさんご存知かと思います。本当に相当凄い人気だったんでしょう。
とはいえ、庶民の料理番付である為御菜にも、めざしやイワシ、鰊やまぐろに続いて、鰹も入っているので、旬の時期なら庶民にも手が届く魚だったと思われます。

芝の海で獲れた本場物の芝海老によるしんじょう汁。芝海老の芝とは昔、ここでたくさん獲れていたことから付けられたんだとか。長い年月の間にどんどん埋め立てが進み、海は遥か遠くになってしまいました。

左上、芝公園の先には増上寺があります

江戸前穴子は都内の天ぷら屋さんや屋形船などでも食べられるだろうと思います。キスやコハダと共に江戸前の代表ですね。
次のお酒は島根の板倉酒造さんより、無窮天穏シリーズから天雲をば。


フッコは出世魚です。江戸前ではセイゴ、フッコ、スズキと進むそうです。

鴨は青森の銀の鴨だそうです。江戸味噌でさっと煮込んだ鴨肉は良い感じに脂が抜けて美味しかったです。




このところ毎週末、都内の実家まで出掛けています。車移動なので、ドアtoドアでほぼどこにも立ち寄らずなので、東京行ったよ的なネタは何もありません。
とにかく高速と首都高の混み具合が酷いです。そうでなくても渋滞するのに事故も多いようで、本当にトホホです。特に日曜午後に車で都内に行くのは当面止めよう!と思うに至りました。
そう言う意味でも、やっとコロナ禍が終わりつつあるのかなーとしみじみ思う今日この頃です。
そのあたりに会社があって、そのお店の前は通ったことがあるような気がします。確かに海の近くというか、海の上(?)なので、昔は大いに海の幸が楽しめたのでしょうね。海はすぐそこにあるけれど、今じゃ想像もつきにくいですね。そんな中でも、江戸前料理なんて稀な分野で頑張っているお店があるのはステキ。
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nikonikomaisonさん、コメントありがとうございます😊
この辺りだと以前はよくセレスティンに泊まってました。あの周辺は駐車場事情がイマイチなので、今回もセレスティンに車を停めたのですが、ちょうど周辺再開発の大規模な工事を行っていて、一瞬方向感覚がワヤになりました(^◇^;)
あの辺は案外海に近い割に全くそんな感じはしませんね〜。
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番付皿、おもしろいですね~~!!
東京唯一の酒蔵の日本酒が「江戸開城」というのは面白いですね~。
飲んでみたいです!!
江戸味噌という味噌があるんですね!
合わせっぽいのかな??
お料理全部おいしそう😋
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tabisurueiyoushiさん、コメントありがとうございます😊
江戸味噌、江戸甘味噌はかなり名古屋味噌に近い味(かなりあっさり目でしたが)ではないかなーと個人的には思います。
廃れてしまった理由が第二次世界大戦の戦時統制だったというのがなんとも残念なことですね。
売ってるお店もあるようなので、近いうちに買ってみようと思います。
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本格的な江戸前料理、東京湾の恵みと東京だからこそ集まる素材なのでしょうね。
繊細な盛り付けとお料理の数々。
芝えびと地名の「芝」は初めて知りました。漢字の面白さですね。
芝えびのしんじょう、、、美味しそうです!! そして、、、日本酒も♪
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CoccoCanさん、コメントありがとうございます😊
私も今回初めて知りました>芝海老。
こちらのスペシャリテということで、かなり力の入った一品でした。
江戸味噌がとても美味しかったので、自分で作れないかなぁと考え中です。
東京開城、スッキリした飲み口でした。仕込み水がミネラルウォーターというあたり(あの辺の水は激不味なので)、如何にも東京らしいお酒かもしれません😅
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仕込み水が「ミネラルウォーター」、、、東京らしいですね。
江戸味噌、、、是非是非、作ってみてください!!
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Wow! Looks delicious! Love pottery, so beautiful! ThanK’s for share Kyo.
Have a lovely Sunday!
Elvira
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Thanks, elvira(^-^)
About 200 years ago, I ate a popular menu from the time when there was a samurai in the city of Edo (Tokyo).
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You are welcome, Kyo. 🙂
Wow! That sounds delicious and amazing! Thank’s for share.
Your country looks so beautiful.
I just know for books or movies.
Have a wonderful week!
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お義母様と素敵なお店ですね。
江戸開城とは凄いお酒(@_@)最初に登場のきんぴらに目が釘付けになりました。美味しそう♡
<安価で手間がかからぬこと>庶民の味方の江戸の食文化!素晴らしいです(*^_^*)
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wakasahs15thさん、コメントありがとうございます😊
東京23区内唯一の酒蔵ですが、仕込みにミネラルウォーターを使う(東京湾近くのお水は激不味なので😅)分、やや割高になるらしいです。
江戸時代の人気料理が現在もたくさん残っているのは素敵なことですね〜(^-^)
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江戸前料理というカテゴリーが
あるのですね!
全体的にヘルシーな印象で
沢山食べてもおなかに優しそうな・・・
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洋子さん、コメントありがとうございます😊
なるほど、確かにヘルシーかもですね。
江戸味噌がとっても美味しかったので、自分で作れないかなーと思いました。
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