長野旅行最終日の晩御飯は、蓼科のca’enne (カエンネ)さんへ。

ca’enne (カエンネ)さんは地元の食材を生かした里山イタリア料理のお店です。珍しい薪焼き料理のお店でもあります。そもそも「薪焼き」とはヨーロッパ発祥の伝統調理法であり、日本の炭火焼とは異なる調理法なんだとか。

ワインはペアリングで。全部で7種出ました。グラスのボリュームも確認し、若干ヤバそう😅だと思われたので、最初の1杯以外は全て2/3量にして貰うよう、前もってお願いしました。
スタートはリシャール・シュルランのシャンパーニュでした。
カルト・ドールという名前通りの黄金色のエチケットは、見るとそれだけでテンションが上がりますね。

一押しの生ハムが登場。

オーナーシェフである臼井 憲幸さんは、都内のイタリアンを経て渡伊した後、イタリアのレストランでも部門シェフを任されるほどだったそうですが、エミリアロマーニャ州にある生ハム工房「Antica Corte Pallavicina」で、パルマの伝統を厳格に引き継ぐクラテッロの製法を学ばれました。クラテッロという生ハムは手間が掛かるが故に『生ハムの王様』とか『幻の生ハム』と言われるそうですが、その生ハムをミシュラン星付きレストランに降ろすほどの腕前に。
そんな臼井さんが作られる生ハムは、クラテッロの製法をベースに、地元の銘酒である真澄の糀を使って作られるという、ここでしか味わえない特別なものでした。
極薄で上質な脂が実際に口の中でとろけました。旨味の詰まったお肉部分も最高でした。

続いて登場したのはとうもろこしのポタージュ。

エスプーマで泡仕立てになったのがラヴィジョーロ、羊乳のフレッシュチーズです。
続いてドイツの白が来ました。
ゼッキンガー ゴットザッカー リースリング 2019

ゼッキンガーは2012年に設立されたニーダーキエヒェンで最も若いワイナリーだそうです。ファルツ州ダイデスハイム村にあるゴットザッカー(1級畑)から採れる樹齢35年以上のリースリングとのこと。爽やかなフルーティさと強いミネラル感のあるワインでした。
続いてパンと鱒が登場しました。

3年物の湧水鱒を塩締めして一週間寝かしたもの、だそうです。
薪焼きをじっと眺めつつ、次のワインを頂きました。
再びリースリングですが、今度はご近所原村の原山農園きふたとさんのDonDonでした。
原山農園きふたとさんは家族4人でワイン用ぶどうの栽培をしており、各自の名前の頭をとって「きふたと」と名付けたそうです。醸造は伊那ワイン工房さんに委託しているとのこと。

さらっと爽やかな感じがワインの色味からも分かると思いますが、キャビア入りのお蕎麦によく合っていました。
そもそもキャビアとリースリングの相性は良いですし、ブリニ(ロシアの蕎麦粉ガレット)とキャビアの相性が良いことを考えると、地元のお蕎麦(+キャビア)に地元産のリースリング、合わないはずがないですね。
信州と言えばやはりお蕎麦。じゅんさいは勿論のこと、発酵柚子皮と焼き茄子ペーストも良い仕事してました。鮎や鰻もですが、イタリアンの前は和食だったという経験が生きてますね。

お次はイタリア ピエモンテのロゼ泡でバルべーラ100%なファビオ・ジェアのバルビスカ。ワインラベルの代わりが長い紐の付いたタグでした。アマルフィの海岸沿いで作られる手すきの紙を使っているとか。

先ほどの薪焼の炎は鮎の仕上げでした。表面はカリカリで中はふっくらほくほく。うまー。

モロッコいんげん バジルペースト 酢締めきゅうり フレッシュトマト しょうがねぎ 実山椒オイル
スロヴェニアのオレンジワインはクリスチャン・ケベルのブルダ。
リボッラ・ジャッラ50%、フリウラーノ40%、マルヴァジーア10%、イタリア側がフリウリでスロヴェニア側がブルダなんですね。なるほどですね。

甘みのある花のようなワインに合わせたのは発酵ブルーベリー漬けにされた鰻の蒲焼でした。

こんがり焼けた薪焼の蒲焼というのもなかなか乙なものですね。鮎もでしたが、表面はカリカリこんがりで中はふっくら。付け合わせもナイスでした。

お次は、イタリア ロンバルディアはアール・ぺ・ぺの赤ワインが登場。重くないのに厚みがあり、プルーンのようなベリー感のある(つまり超好みの)味わいでした。

こちらの生パスタは信州産小麦でつなぎは卵の黄身のみとのこと。パスタマシンを使わず、マタレッロという長い麺棒を使って伸ばした麺は、もっちりさの際立つしっかりした食感でした。ちなみにイタリアでやってた部門シェフというのがパスタだったそうです。
八ヶ岳で採れる天然アカヤマドリ茸はボルチーニの仲間だとか。美味しいに決まってますね。

最後に登場したのは、以前からいつか飲みたいと思っていた青木村 ファンキー・シャトー(Funky Château)さんのメルローでした。ひゃっほー!

ファンキー・シャトー ラ・プリミエール・フォア メルロ
こんな名前ですが長野のワインです。青木村と上田に畑があるとか。オンライン販売を行っていないのと、生産量の少なさもあり、なかなか入手できない希少ワインなのでした。

最初に出て来たとうもろこし再び。サマートリュフがワインの進みを誘いました。

ここまでワインの量をセーブしたおかげで、ワインも料理もしっかり完食出来ました😊。




シェフの臼井 憲幸さんは、2017年に蓼科「L’essenza(エッセンツァ)」のシェフとして、こちらに移住され、2020年4月に店を買い取る形で独立されました。エッセンツァの頃から(オットが)予約を狙っており、数年越しの初来店となりました。
独立に際しクラファン(MotionGallery)で資金を集めたそうです。今時らしいやり方ですね。レストラン本サイトより詳しい経歴や想いが書かれているので、良かったらその記事もご覧ください。
当時からなかなか予約が取れなかったというのに、今年はゴ・エ・ミヨ2022にも掲載され(てしまい)ました。また前回のGUUUTさんに引き続き、 CREA Traveller 2022 vol.3号(テロワールを訪ねて)にも掲載され(てしまっ)たらしく、今後はさらに予約困難なお店になってしまうのではないかな~と思います。とほほ…。
我々が入店する直前、一組の老ご夫婦がお店に入って行こうとしたのですが、ドアに「今月末まで予約満席となっています」と書かれていた案内を見て、「残念だねぇ」と言いながら帰って行きました。お店の看板が非常に目立たない作りになっているので、店の存在を知らないと入れないため、以前から通っていた方なんだろうと思いました。
どれもこれも美味しそう♪
薪で鮎ですか。
発酵ブルーベリー漬けのうなぎ!!
発酵ゆずも使っていたり、奥が深いです。お酒も7種類なんて、贅沢なw
いいねいいね: 1人
CoccoCanさん、コメントありがとうございます😊
薪焼きと炭火焼きの違いを今回初めて知りました。薪焼きというと今まではジビエなイメージしか無かったのですが、奥が深いんだなぁと思いました。
そして、発酵パワー!
発酵種類の豊かさが半端ないですね。タイ料理もですが、里山料理、侮れません。
こう言うお料理を味わうと楽しくてしょうがありませんね〜(^-^)
いいねいいね: 1人
極薄の生ハム美味しそうですね。
種々の器がとっても楽しいです。
調理現場を見られるのは次の料理にワクワクしそうです(*^_^*)
いいねいいね: 1人
wakasahs15thさん、コメントありがとうございます😊
生ハムは舌の上でとろけました。シャンパンによくあってあいたので、ビールにも合うだろうと思います(^-^)
オープンキッチンが大好きなので、カウンター席だとテンションが上がります(^-^)
いいねいいね: 1人
月曜から激しい誘惑にかられそうな生ハムと薪料理の数々ですね。
中でも鰻。もう想像の中では香でいっぱいです。
ペアリングも希少ワインが出てくるなんて。
全種あきらめずに飲めるセーブの事前対応、さすがです!
いいねいいね: 1人
yukitabitonさん、コメントありがとうございます😊
舌の上でトロける生ハム、絶品でした。
泡が最高に合いますね(^-^)
鰻は外パリ中ふわで、ブルーベリーが思いの外あっていました。発酵パワーもあるかと思います。
ペアリングだと色々楽しめるのが良いですね。量より種類な私です(^-^)
いいねいいね: 1人