コロナ禍以降、プリンを自作する機会が増えました。

今まで、フライパンで蒸したり、蒸し器を使ったり、オーブンで湯煎したり、お手軽にレンチンで作ったりと、様々なやり方でプリンを作ってきました。
色々な作り方を試してみた結果、個人的には、蒸篭(せいろ)で蒸すのが一番綺麗かつ楽に出来るという結論に達したので、アップしておきたいと思います。

プリンの基本材料は卵、牛乳、砂糖ですね。これだけで美味しいプリンが出来るというのは、とても素敵なことだと思います。生クリーム入りの今風なトロトロ系プリンより、昔からよくあるオーソドックスで昭和なプリンの方が好きなので、本レシピはそういう方向けとなっています。
蒸篭で作る蒸しプリン

◾️材料(プリンカップ4個分)
◇プリン液
・卵 3個(全卵2、卵黄1)
・牛乳 300cc
・砂糖 大さじ1.5〜2
・バニラの香り付け(後述) 少々
◇カラメル
・グラニュー糖 大さじ3
・お湯 10〜15cc(先に入れる分も含む)
◾️作り方
- カラメルを作ります。
丈の高い小鍋にグラニュー糖と全体が湿る程度の水を入れ、中火にかけます。糖が溶けて沸騰し、色が変わってきたら小鍋を何度か揺すって色味を均等にします。色がカラメル色に変わり香ばしい匂いがして小鍋に煙が上がり始めたら(メイラード反応)、お湯を注ぎ入れ、鍋を回してカラメルを馴染ませます。カラメルが馴染んだら熱いうちにプリンカップに注ぎいれ、カラメルを平らに均します。写真説明を後述していますので、詳しくはそちらで。 - 鍋に蒸篭をセットしてお湯を沸かします。
- プリン液を作ります。
ミルクパン(小鍋)に牛乳と砂糖を入れて50〜60度程度まで温めます。 - ボールに卵を入れ、箸や泡立て器で横に切るように混ぜます。よく混ざったら、温めておいた牛乳(60度以下)をボールに注ぎ入れ混ぜ合わせます。混ぜたプリン液を茶漉しや網などで2〜3度濾し、プリン液をなめらかにします。途中好みでバニラ香を付けておきます。
- カラメルを入れたプリンカップに、茶漉しで濾しながらプリン液を入れます。
- 蒸篭をかけた鍋が沸騰して蒸篭の蓋から湯気が出てきたら、蒸篭の蓋を開けて蒸篭にプリンカップを並べ、蓋をして強火のまま1分、その後弱火にして20〜25分ほど蒸します。
牛乳をあまり温め無かった場合には、蒸し時間を5分程度長めにして様子をみてください。 - 蒸しあがったプリンを常温まで冷ましたら、ラップ等で蓋をして、冷蔵庫に入れ冷やします。
以上が我が家の蒸しプリンのレシピです。
甘さはかなり控えめです。カラメルありきなので、我が家ではこれで充分な甘さかなと思っています。
蒸篭にプリンカップを入れる際、湯気が熱くて気になるようなら、蒸篭を鍋からおろしてカップを並べ入れ、蓋をしてからミトンで防御しつつ鍋の上に蒸篭を戻してください。
私は普段、ガス代節約のため20分程度で火を止め、そのまま自然と冷めるまで放置していますが、急いでいる時には25分しっかり蒸してから取り出しています。
プリンカップからそのまま食べるか、もしくは、小皿を用意してプリンカップを逆さに伏せて置き、カップとお皿をピッタリ押さえたまま上下左右左右左右上下と何度か振ると、プリンが剥がれ落ちて来るので、トップに置いた写真のプリンが出来上がります。


プリンが上手く落ちて来ない場合、プリン生地が容器から剥がれるよう、フチと生地のヘリを上から少し押さえると剥がれやすくなります。それでもダメな時は潔く諦め、縁からナイフの先を入れてぐるりと回せば簡単に落ちてきます。
カラメルを入れない場合や、牛乳を減らしたり、卵の割合を高くしたりすると、やや剥がれ難くなるかなと思います。

◇プリン液について
より硬めが好みなら牛乳を少し減らしてみてください。あっさりし過ぎて物足りないと思ったら、卵黄を一つ増やしてみてください。自分好みの味に整えられるのが自家製の良いところです。
プリン液を何度か濾すことで舌当たりのなめらかなプリンになります。卵のカラザを最初に取り除き、白身を切るようによく混ぜると、後で濾すときによりスムーズに濾せるかなと思います。
卵液と牛乳を混ぜる際、牛乳の温度が60度以下であることを確認してください。卵は60度で固まり始めます。
◇砂糖について
私は甜菜糖を使うことが多いです。もちろんごく普通の(サトウキビ由来の)お砂糖を使っても全く問題ありません。甜菜糖は普通の砂糖より甘味があっさりしており同じ量だと少し足りなく思うかもしれません。
普通のお砂糖は身体を冷やしますが、寒い地域で作られる甜菜由来のお砂糖は身体を冷やしません。腸に良いと言われるオリゴ糖も若干ですが含まれており、GI値も一般的な砂糖の半分ちょい程度です。最近ではスーパーでも普通に買えるようになってきているので助かってます。
◇カラメルについて
カラメル作りの際に使うお砂糖はグラニュー糖がおススメです。なお甜菜由来のグラニュー糖で作るとサトウキビ由来のものよりメイラード反応が起こるまでの時間がやや遅くなります。




三温糖やきび糖、黒糖など色の付いた砂糖を使う場合、色だけを見ているとメイラード反応が起きるタイミングを見間違えやすくなります。(かなり濃い色になります)
メイラード反応が起きない(ほろ苦くない)ままのカラメルは、ただ甘いだけの砂糖シロップとなり、プリンの美味しさが半減する気がします。
熱したカラメルに冷たいお水を入れると熱されたカラメルが周囲に飛び散る可能性が高くなるので、後から入れる分はなるべく熱いお湯を使ってください。焦げ過ぎそうと思ったらまず火を止めてください。それから入れても大丈夫です。
熱したカラメル液をプリンカップに入れてから平らに均すまでに少し時間を置いてしまうと、そのまま固まってしまうことがありますが、蒸している間にプリン液の水分でそこそこ馴染むので、それほど気にしなくても大丈夫だろうと思います。トップ写真にある縁のトゲトゲはその名残です。
カラメルを作る小鍋はコンロ周りが汚れないよう、縁(丈)の高いタイプを使うことをおススメします。縁の低い鍋、例えばフライパンで作ると、沸騰中の砂糖液の細かな熱い飛沫がコンロの周囲にかなり飛び散ります。すぐに拭かないとベタつくので、後の掃除が面倒になります。口径の広い鍋を使うとカラメルの水分があっという間に蒸発するのでご注意ください。底の広い鍋だと底にこびり付いたまま使えないカラメルが増えるので、ちょっと勿体ないかなとも思います。小鍋が無い場合には、カラメルの量を少し多めに作った方が良いかと思います。
我が家の小鍋は18-10ステンレス IH対応ミルクパン の300ccサイズです。底が8センチとかなり小さいので、小コンロで五徳カバーをして使っています。持ち手が長いので、使用中も熱くならないため素手で使えます。
◇バニラの香り付けについて
香りはお好みか次第かと思いますし、ぶっちゃけ、無くても無問題です。入れ忘れることもたまにあります。
私はバニラビーンズペーストを使っています。
バニラビーンズペーストは名前の通りバニラの種が入っています。バニラの鞘から削り取るよりお手軽でより安価なのと比較的保存が効くので愛用しています。富澤商店やカルディで買えると思います。
手に入りやすいバニラエッセンスやバニラエクストラクトを使うのももちろんありですね。お手軽ですし。
バニラの香り付けをする場合、バニラビーンズペーストを使うなら卵を攪拌する際に、バニラエッセンスやバニラエクストラクトを使う場合には、プリン液を漉す前くらいに足すと良いかなと思います。
◇プリンカップについて
シリコン蓋付きの耐熱ガラスカップを使っています。cottaオリジナル製品でバラ売りもしていますが、6個セットで買うと割安になり、今見ると6個セットで1個400円ちょいでした。シリコン蓋付きとはいえ、やや高めかもですが、以前買った時には確かセール中で1個270円くらいでした。セール狙いで是非。ピクルス入れたりなど他の用途でも重宝してます。

◇蒸篭(蒸し器)について
蒸し器で蒸す場合、蓋には雫避けカバー(布巾でOK)が必要です。もしくはプリンカップに蓋をするんでも良いかと思います。その手間(布巾の洗濯とか)と蒸し器の後片付けの面倒くささを考えると、それらの要らない蒸篭の使い勝手が一番良いかなーと思うに至りました。
蒸篭用の鍋は専用の物でなくても問題ありません。蒸篭と鍋のサイズがピッタリ合えば最高ですが、同じ口径かやや小さめ程度の鍋なら、間に網を挟めばすぐ使えます。

蒸篭と口径の異なる鍋を使う場合、蒸篭と鍋の差を補うサイズ調整用の蒸し板もありますが、焼き網を使えば鍋の湯気はそのままダイレクトに蒸篭に伝わります。蒸篭が多少ズレても落ちることを気にせずに済むので、おススメです。この焼き網は百均で見つけました。
蒸篭だと雫が垂れる心配は無いので、プリンカップにも蒸し蓋にもカバーは必要ありません。また木製なので、少々縁に手が触れたくらいで火傷するような心配もありません。

蒸し終わった後の蒸篭はそのまま乾かすだけで済みます。鍋もさっと濯げば良いだけなので、後片付けの楽さが最高のポイントかなと思います。
◇蒸篭(蒸し器)以外の方法について
少量で1個か2個作るなら、カラメルも含めてレンチンするレシピもありかなと思います。が、レンチンは1個単位で加熱する方法が一番安定して作れるようなので、2個以上作るとなるとやや面倒になってきます。また、上手く加熱しないと底部分(ひっくり返せば頭)に加熱中に亀裂が入ることが多いため、見た目綺麗に仕上げたいなら、レンチンはちと問題ありかもしれません。

もにょっと亀裂が。。。
オーブンで作る方法はある意味王道だと思いますが、使用後の庫内掃除がひたすら面倒です。毎回庫内をくまなく拭き掃除しなければならないのが嫌過ぎるのと、湯煎の準備が面倒かつ電気代が高く付くというのもあり、オーブンで作るハードルは(心理的に)一番高いです。
フライパンで蒸して作るレシピも悪くないと思いますが、フライパンの場合、弱火の火力調整がコンロによってやや難しい気がしています。高崎時代のコンロは無問題だったのに大阪時代のコンロは一番弱火にしても「す」が入ってしまいました。底上げなど、色々調整してはみたもののダメだったので、それが蒸篭に変える契機になりました。弱火調整さえ出来れば、フライパン蒸しも良い方法だと思います。

オーブンやフライパンで作る場合にもプリンカップにカバーは必須です。アルミホイルとかで良いのですが、熱い鍋と湯気に注意しつつ、熱されたプリンカップからカバーを取ったりつけたりするのは、初心者や年寄りにはちと厳しいかもしれません。もっとも、一度作って慣れてしまえば、固まってるかの確認はもうしなくて良くなると思うので、それほど気にする必要はないのかな、とも。
蒸篭はもちろんですが、フライパンやレンチンでも簡単に作れるので、ぜひ一度、お試しください。
食べたい!! KYOさんが作っていただきたい笑 カラメル上手に出来た記憶がないので、参考にさせていただきます。
調理器具が全部本格的でうらやましいです。私も欲しいなぁー蒸籠。
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CoccoCanさん、コメントありがとうございます😊
蒸篭、お持ちでないなら是非ともおススメしたい調理器具です。
野菜やお肉、お魚蒸しはもちろんのこと、煮物やご飯の温め直しにも使えます。もちろんフライパンや鍋でも代用は可能ですが、CoccoCanさん家にあったら大活躍すると思います。
今から買うなら大きいのではなく小さめで丈の高めタイプを複数個買うと良いかと思います。セット売りの方が安いだろうと思います。重ねて使うと効率良く蒸せますし片付けの場所も取らないかなと思います(^-^)
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>>今から買うなら大きいのではなく小さめで丈の高めタイプを複数個買うと良いかと思います。セット売りの方が安いだろうと思います。重ねて使うと効率良く蒸せますし片付けの場所も取らないかなと思います(^-^)
→非常に参考になるアドバイスをありがとうございます!!!
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自宅で作ったとは思えないほど、おいしそ~~~😋
以前、実習を担当してた時は、洋菓子を作る時はバニラビーンズを使ってました。
マダガスカル産のさやに入ってるやつですね。
高いから自宅では使わないけど(笑)やっぱりあるとないとでは違いますからね。
バニラビーンズペースト、よさそう。
探してみます(*^^)v
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tabisurueiyoushiさん、コメントありがとうございます😊
バニラビーンズはナイフでこそげるのが面倒ですよね。あれほど香りは出ませんが、圧倒的にお手軽で安いので、機会があったら是非お試しください(^-^)
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お写真の色味でもうこれは
美味しいこと確定!って思いました(^o^)
オーソドックスなのがやっぱり結局
落ち着いちゃうんですよね~。
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洋子さん、コメントありがとうございます😄
私もオーソドックスなプリンが一番好きです。自分好みに作れるのも自家製の良さですね〜(^-^)
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綺麗な色が出て美味しそうなプリンが出来上がりましたね。蒸篭を使うのが一番なんですね。我が家にはないです(^^)/
食べたいし作るのが面倒なようだし、迷います(*^-^*)
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wakasahs15thさん、コメントありがとうございます😊
フライパンで作る時、火を消した後、ある程度自然に冷めるまで放置してしまえば、完全に火が通るので、蓋を開ける必要なく、安全ではないかと思います。
カラメルは別に作って後からかけるという手もあります。
材料も冷蔵庫にある物でシンプルながら間違いない美味しさなので、たまに食べる(うちではしょっちゅう)スイーツとしてはかなり優秀ではないかと思います!(^-^)
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